今、SNSやネット上で論争を呼んでいる視覚の不思議について取り上げてみました。
人によってドレスの色が、「青と黒」あるいは「金と白」に見えるのは何故なのでしょうか?
この見え方の差は、単純に目の機能だけによるものではありません。
むしろ、目の錯覚というよりは目から得たままの情報を脳がどうとらえるかという「脳の錯覚」と言った方がより正確なのかもしれません。
昔から世界中に残されている「だまし絵」などの絵画は、光や影などの陰影や凹凸などの手法を駆使して脳を錯覚させることに成功しています。
目自体の働きは、外部から得られた情報を角膜・水晶体・房水を通して網膜に到達した情報を脳に伝えます。
目から得られた情報を脳がどう判断するかでモノの見方が変わってくるということです。
以下、HAFFPOSTから転載させていただきます。
まだドレスで混乱してるの? 青と黒とか白と金とか吹っ飛ぶ7つの画像
このドレスの写真は現在あらゆる人間が派閥に分かれて言い争っている。このドレスが白と金に見えるという正気の人間が、青と黒に見えるなどという危険で愚かな人間を攻撃している(ああ、そうだ。このドレスは実際には青と黒だ。しかし議論は今、この特別な写真がどうして白と金に見えるのか、という点に移っている)
なぜ人によってドレスの見え方が異なるのか。最終的な結論は出ていないが、これには「色の恒常性」という、より高度な理論を持ち出さないといけない。ある物体が同じ色でも照明の当たり方の違いで見え方が変わってしまう。そして色付きの光だったときには、人間の目はあてにならないと、ワシントン大学で色覚研究を行っているジェイ・ネイズ博士がニュースサイト「Vice」で述べている。
議論のせいで人間関係にヒビが入ったので動揺しているのか、あるいはどうでもいいことをオフィス全員で話し合ってウンザリしているか、まあとにかく、他にも完全に混乱してしまうような画像を並べてみた。これでドレスの写真のことは忘れてしまおう。
チェッカー盤の錯視
この盤上のA、Bと書かれた四角は、実は同じ色である。
Edward Adelson
そう、同じ色だ。ドレスの写真と同じく、この2つが違う色に見えてしまう理由は、「色の恒常性」にある。ニュースサイト「 IO9」では、どうしてこの画像に騙されてしまうのか丁寧に説明している。
変わり続ける光
ナチョ・グスマンが作ったこの美しいミュージックビデオは光を使って女優が徐々に他の人間に変身していくように見せている。しかし、動画全体を見てみると、これは同じ女性だ。 (H/T: Film School Rejects)
変わり続けるブロック
「色の恒常性」がもたらす、もう一つの驚き。
ポンゾ錯視
この3台の車は同じサイズだ。定規を持ちだしてもう一度確かめたら、「 オンライン・サイコロジー・ラボラトリー」でどうしてこうなるのか読んで確かめよう。
でこぼこの通路
この床は、オタク情報サイト「Kotaku」によるとフランスのゲームショップにあるようだが、平らである。
色のタイルの錯視
R. Beau Lotto
よし、もう一つだけ、色の恒常性に関するものを紹介しよう。これは本当にやばいからだ。上の面の中央にある、茶色に見えるタイルと、手前の陰になっている面の中央にある鮮やかなオレンジに見えるタイルは、実は同じ色である。
くるくる回るダンサー
Nobuyuki Kayahara, Procreo Flash Design Laboratory
彼女は時計回りに回っている? それとも反時計回り? 両方!? 人によって回転している方向が違って見えるだろう。ドレスの写真に、さらにこの女の子の画像を加えたら、全面戦争が勃発するかもしれない。